重症型薬アレルギーの早期診断と迅速診断法の開発

薬アレルギーでの後遺症や死亡をなくすことを目指して
国立大学法人山梨大学大学院総合研究部医学域皮膚科学
現在 8%
集まっている金額
¥311,000
参加人数
17人
募集終了まで
193日

※スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症の恐ろしさを知って頂くため、症状の写真を掲載しております。衝撃的な写真ですが、どうぞご了承ください。

 日々多くの薬が患者さんに使われます。薬にはさまざまな副作用がありますが、どの薬剤にも共通して、薬アレルギーを起こす場合があります。薬アレルギーは一過性、軽症で済むものもありますが、稀にスティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症と呼ばれる重篤な薬アレルギーを発症することがあり、この場合、失明や死亡に至る危険があります。本来、治療のための薬で命を落とすことはあってはなりません。しかし、この重篤な薬アレルギーを進行する前に診断し、確実に死を防ぐのは難しいのが現状です。我々は、重篤な薬アレルギーを早期に診断する検査法と、より良い治療法を開発し、重篤な薬アレルギーによる後遺症や死亡をなくすことを目指しています。

募集期間と使途

【目標金額】
3,500,000円

【募集期間】
2024年6月1日〜2024年 12月31日

【資金使途】

費目 (例) 内訳 予算(円) 説明
試薬 迅速診断キット部品 1,565,000 キットの作成のための物品経費
試薬 抗体 310,000 キットの作成のための物品経費
試薬 ELISA kit 1,111,818 キットの有用性評価のための物品
事務経費 RS総合相談手数料 167,000 PMDA※での相談経費
旅費交通費 出張旅費 28,000 PMDAへの出張
事務手数料 セキュリテ手数料+決済手数料 318,182 集まった金額の10%
合計   3,500,000  

※PMDA (独立行政法人医薬品医療機器総合機構: Pharmaceuticals and Medical Devices Agency) は、医薬品などの承認を行う厚生労働省所管の法人。

 多くの方が毎日のように薬を飲んでいます。病院では日々たくさんの薬が処方され、入院すれば多くの患者さんは点滴治療を受けます。これら薬の説明文書をよく読むと、ほとんどの薬に「スティーブンス・ジョンソン症候群」、「中毒性表皮壊死症」と呼ばれる薬アレルギーの病名が書かれています。市販薬にも同様の記載があります。
 この病気は全身の皮膚が剥け、眼・口など粘膜が溶けることで、失明などの後遺症や亡くなってしまう可能性もある非常に恐い病気なのです。年間で人口10万人当たり1人程度しか発症しない稀な病気ですが、どんな薬でも(市販の風邪薬でも)、誰でもこの重篤な薬アレルギーを突然発症する危険性があります。

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 さらにこの重篤な薬アレルギーの初期症状は、一見軽症の薬アレルギーと見分けがつき難く、重症症状が現れてから診断されることが少なくありません。重篤な薬アレルギーの治療法が少ないことに加え、“初期症状で見分けがつかない”ことがこの病気の恐さです。
 ですから、初期症状の時点で重篤な薬アレルギーを診断できるようにすること、そしてより良い治療法を見つけることが、今の医療で求められています。

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 特に発症5日以内に診断し、速やかに皮膚科専門医のいる総合病院で集中治療を行えば、改善する可能性が高いです。薬アレルギーを発症して、発疹がでると、多くの患者さんはまず最初にかかりつけ医を受診します。この際にすぐにスティーブンスジョンソン症候群が疑われれば良いのですが、皮膚科専門医でもスティーブンスジョンソン症候群と診断するのが、難しいのが現状ですし、皮膚科専門医でなければなおさら困難です。そのため、病気が進行してから診断され、その時は発症5日以上経過している患者さんが多くなってしまい、治療が難しくなっています。そのため、医学が発達した現代でも致死率が~30%と予後が悪いのが現状です。
 そこで本プロジェクトでは、医師であれば誰でも、簡単かつ迅速に診断できる簡易キットを開発することで、発症5日以内に診断し、早期に治療開始ができることで、スティーブンス・ジョンソン症候群で亡くなる方、後遺症で苦しむ方を減らしたいと考えています。

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 なぜ軽症の薬アレルギーですむ人と重篤な薬アレルギーを発症する人がいるのか、その違いはよく分かっていませんでした。私たちはこれまでに、この重篤な薬アレルギーにかかった患者さまのご協力を得て、血液などを頂いて解析を行ってきました。すると、薬アレルギーを持った患者さんのうち、重篤な薬アレルギーの患者さんでは好中球と呼ばれる血球が異常に活性化していることが判明しました。
 そこで、この好中球を活性化にする物質(NGAL)や、活性化した好中球から出てくる物質(LL−37、MPO-DNA複合体)を調べることで、重篤な薬アレルギーを早期に発見することができ、病気が進行する手前の段階で診断ができると考えて研究を進めています。また、活性化した好中球を抑えることで、新しい治療法が開発できると考えています。

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私たちの主要な研究成果

1.    Neutrophils initiate and exacerbate Stevens–Johnson syndrome and toxic epidermal necrolysis. Kinoshita M, Ogawa Y, Hama N, Ujiie I, Hasegawa A, Nakajima S, Nomura T, Adachi J, Sato T, Koizumi S, Shimada S, Fujita Y, Takahashi H, Mizukawa Y, Tomonaga T, Nagao K, Abe R, Kawamura T. Science Translational Medicine. 13(600), 2021
2.    Neutrophil Extracellular Traps in Skin Diseases, Ogawa Y, Muto Y, Kinoshita M, Shimada S, Kawamura T, Biomedicines. 9(12): 1888, 2021
3.    Drug-induced hypersensitivity Syndrome/Drug rash with eosinophilia and systemic symptoms due to Diaminodiphenylsulfone during the treatment of pemphigus foliaceus. A Honobe, H Mitsui, M Kinoshita, T Shimizu, S Sano, S Shimada, T Kawamura. Journal of Cutaneous Immunology and Allergy 4:135–136, 2021
4.    RIP3 as a diagnostic and severity marker for Stevens-Johnson syndrome and toxic epidermal necrolysis., Hasegawa A, Shinkuma S, Hayashi R, Hama N, Watanabe H, Kinoshita M, Ogawa Y, Abe R. J Allergy Clin Immunol Pract. 8(5): 1768-1771, 2020
5.    Galectin-7 as a potential biomarker of Stevens-Johnson syndrome/toxic epidermal necrolysis: identification by targeted proteomics using causative drug-exposed peripheral blood cells. Hama N, Nishimura K, Hasegawa A, Yuki A, Kume H, Adachi J, Kinoshita M, Ogawa Y, Nakajima S, Nomura T, Watanabe H, Mizukawa Y, Tomonaga T, Shimizu H, Abe R. J Allergy Clin Immunol Pract. 7(8): 2894-2897, 2019

社会啓蒙活動の一環として、重篤な薬アレルギーについて広く知っていただきたい。

 私たちは、スティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症の病態解明に取り組んできました。これまでは公的な競争的研究費(科研費、医療研究開発推進事業費補助金(AMED) 橋渡し研究戦略的推進プログラム補助事業 シーズAなど)を獲得し、研究を継続してきました。この研究成果をもとに臨床への応用、すなわちスティーブンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死症の早期診断法や新規治療法の確立を目指していますが、患者数が決して多くないスティーブン・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症の患者検体を前向きに解析するには、検体収集に時間がかかること、また日本での臨床応用の行政認可手続きに時間がかかることが課題となっています。
 国内の競争的研究費は3年前後の短期間に成果が出やすいプロジェクトが採択されやすく、社会的に重要な疾患であっても、中〜長期に渡るプロジェクトは採択されにくいという現状があります。
さらに、昨今の物価上昇基調により研究物資の費用が高騰していること、科研費を中心とした競争的研究費は横ばいで、大学に対する運営費交付金は減少し続けています。このように公的資金を中心とした研究資金だけでは研究の継続が困難です。
  特に地方国立大学での研究環境は、大変厳しい状況です。そこで、本プロジェクトを立ち上げ、スティーブン・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症の早期診断法の実用化に向けた、試験を実施・継続していきたいと考えました。
 さらに、本プロジェクトを通じて、社会啓蒙を行うことも重要だと考えております。薬アレルギーは早期に発見することがなにより大切です。重篤な薬アレルギーであるスティーブンス・ジョンソン症候群/毒性表皮壊死症は、失明や死亡に至る危険があるということを一般の方に広く知って頂き、薬を飲んでいる最中に発疹がでたら、速やかに皮膚科を受診するようにする動機づけになれば、と考えています。

研究スケジュール

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山梨大学大学院総合研究部医学域皮膚科学講座

研究チームメンバーよりご挨拶

木下真直、小川陽一(山梨大学医学部皮膚科学講座)

 我々は、スティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症の病態メカニズムを探るべく、7年前から主に患者検体の解析をはじめました。その過程で、本疾患の皮膚病変を丹念に観察し、初期において好中球が皮膚に移行し、Neutrophil Extracellular Traps(NETs)を形成することを見出しました。さらなる解析により、NETsが表皮細胞死を誘導し、広範な表皮壊死が急速に進行するメカニズムを明らかにしました。この論文はScience Translational Medicine誌の表紙に掲載され、インパクトの大きい研究成果として評価を得ています。
 今後は本研究をさらに発展させ、臨床への応用につなげるべく、患者血清・尿・水疱液検体を用いた早期診断の検証を行なっており、迅速診断法としての確立を目指しています。ご支援のほどどうぞ宜しくお願い致します。

本プロジェクトへお寄せいただいた応援メッセージ

島田眞路(ヴィアトール学園 理事長、山梨大学前学長・特別顧問)

 研究代表者である川村龍吉教授の前任教授を務めました島田眞路です。川村龍吉教授は、入局後よりランゲルハンス細胞の研究にいそしみ、European Journal of Immunologyに発表しました(前玉置教授時代の最も優れた論文です)。彼には当初より期待しており、私の尊敬する順天堂大学の奥村康教授のもとに免疫を学ぶべく国内留学をし、細胞免疫を基礎から習得しました。その後、私の恩師、Stephen I. Katz博士の下のNIHのAndy Blauveltの研究室に留学し、HIVとランゲルハンス細胞について研究に打ち込み、数々の優れた論文を発表しました。
 帰国後もその成果をもとに、Journal of Immunology, Blood, Cell Host and Microbeなど一流誌に論文を発表し、日本を代表する皮膚免疫学の専門家になりました。それを象徴するように川村教授は日本の皮膚科関係の賞を総ナメされています。日本皮膚科学会皆見賞(最優秀論文賞)、日本皮膚科学雑誌論文賞、ガルデルマ賞、ロート賞、そして最も難しい日本研究皮膚科学会賞です。このように高い評価を得ている気鋭の研究者である川村龍吉教授が新たに初められた重症薬アレルギーの研究にて、木下真直先生、小川陽一先生らと共にScience Translational Medicineに発表し、これも高く評価されています。本プロジェクトの臨床応用への発展を期待しています。

研究体制

代表研究者

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木下 真直

大学院総合研究部医学域皮膚科学
薬疹、皮膚免疫学
学部内講師

2013 山梨大学医学部卒業
2013 山梨大学医学部博士課程、市立甲府病院 初期臨床研修医
2014 山梨大学医学部附属病院 臨床研修医
2015 山梨大学医学部皮膚科 医員
2016 山梨県立中央病院皮膚科 専修医
2017 山梨大学医学部博士課程 修了
2019 山梨大学医学部皮膚科 助教
2021 NIH(米国国立衛生研究所) 客員研究員
2022 山梨大学医学部皮膚科 臨床助教
2024 山梨大学医学部皮膚科 学部内講師

研究メンバー

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川村 龍吉

大学院総合研究部医学域皮膚科学
皮膚免疫学
教授

2013 1990 山梨医科大学医学部卒業
1990 山梨医科大学医学部皮膚科学教室 研修医
1992 静岡県共立蒲原総合病院皮膚科 医員
1994 山梨医科大学医学部皮膚科学教室 助手
1995 順天堂大学医学部免疫学教室(奥村康教授)研究員
1998 NIH(米国国立衛生研究所)留学
Stephen I Katz博士、Andrew Blauvelt博士に師事
2002 山梨大学医学部皮膚科学教室 講師
2014 山梨大学医学部皮膚科学教室 准教授
2017 山梨大学医学部皮膚科学教室 教授
 

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小川 陽一

大学院総合研究部医学域皮膚科学
薬疹、皮膚免疫学
講師

2002 山梨医科大学 卒業
2007 山梨大学医学部皮膚科学講座 助教
2009 山梨大学大学院 博士課程修了
2011 アメリカ国立衛生研究所 客員研究員
2014 山梨大学医学部皮膚科学講座 助教
2017 山梨大学医学部皮膚科学講座 学部内講師
2020 山梨大学医学部皮膚科学講座 講師

税法上の優遇措置が適用されます

山梨大学(税法上の優遇措置):
https://www.yamanashi.ac.jp/wp-content/uploads/2016/01/H30-zeise.pdf
<法人様> 寄附金の全額を損金算入することができます。 
<個人様>本プロジェクトへのご寄附後、山梨大学より「寄附金領収書」が発送されます。確定申告の際は、「寄附金領収書」を添えて、所轄税務署に申告してください。 
 ※本プロジェクトの寄附控除の適用対象年については、2025年(令和7年)になります。
 ※「寄附金領収書」の日付は、2025年1月〜2月の日付での発行となります。

プロジェクトに関する問合せ先

担当者:山梨大学大学院総合研究部医学域皮膚科学講座 木下真直
電話番号:055-273-9856
E-mail: mkinoshita@yamanashi.ac.jp

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2024.06.08 愛知県 少しでもお役に立てれば幸いです。
2024.06.05 沖縄県 応援しています。
2024.06.05 東京都 研修医の頃、受け持ち患者をTENで亡くしました。40年経った今も助けられなかった後悔に苛まれています。一人でも多くの患者様を救ってください。
2024.06.05 大阪府 頑張ってください。
2024.06.04 神奈川県 良く梨大の前を通ってました。 ささやかですが、応援します。
2024.06.04 埼玉県 研究の成果に期待しています。

応援コメント

2024.06.08 愛知県
少しでもお役に立てれば幸いです。
2024.06.05 沖縄県
応援しています。
2024.06.05 東京都
研修医の頃、受け持ち患者をTENで亡くしました。40年経った今も助けられなかった後悔に苛まれています。一人でも多くの患者様を救ってください。

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